ざっくり音楽史2

ざっくり音楽史2 さて、続きです。

前回はグレゴリオ聖歌のところまで行きました。ここに譜面の話がチラリと出てきますのでそこから掘り下げてみましょう。

古い楽譜がある、と書きましたが、古いものでいくと西暦280年くらいのものがあります。 世界史で習いましたよね?パピルス

これに書かれたものが発見されています。ちなみに「文字譜」と呼ばれるもので「多分楽譜だろう」と言われているものです。

そのあとに「ネウマ譜」

そして1025年、五線譜の原型となるものが出来てきます。

時代は進みまして、1453年にヨハン・グーテンベルク活版印刷を発明します(世界史で習いましたかね)

その20年後、1473年に機械印刷の楽譜、というものが出来てきます。 なんだか長い歴史のようですが楽譜が出回るようになってからまだそんなに時間が経っていないことがわかりますね。

そして五線譜に落ち着いていくのが17世紀のことです。この頃教会の聖歌隊は4線譜をメインで使っていました。オクターブは表せるのでこれで良かったんですね。

そして鍵盤楽器は6から8線の譜面を使っていました。ちょっと読める自信がありませんね。 人間が一瞬で理解できる最大の本数が5本、5本の現在の譜面だと言われていますので結構難易度が高そうです。

この当時のオペラ界の人たちが沢山の種類の楽譜を5線に統一しませんか、と話をしていき現在の形に落ち着いたのではないかと言われています。

なんともまあ息の長い話ではありますが、逆に統一されてる時代に楽器やってて良かった、とも思いますよね。

さて、こんな感じで楽譜の進化は進んでいきますが、今度はリズムの話へ。楽譜にも必ずリズムの指定なりテンポなりが書かれています。 ちなみに「BPM」という単語を皆さんも使うと思いますが、これは Beat Per Minuteの略で、1分間に何回ビートがなるか、ということです。秒針の動きがBPM60ということになりますね。

クラシックの世界では様々なリズム記号があります。 ラルゴやアダージョなんてのがそうですね。今はこの記号なら大体このくらいのテンポというようにわかりやすい指針がありますが、実はメトロノームが発明されたのは1812年、と本当につい最近の出来事なんですね。

ここまでは割とざっくりとテンポが考えられてきたのではないか、と言われています。

ちなみに私の一番お気に入りのリズムの指示は「Fox Trot」というものです。 これ、「キツネの速足」という意味でして。きつねに聞かなければ急いでいるかどうかもわからない上に季節、地域によってもかなり変わってしまう、という。よくわからないですよね。結局オケなら指揮者の思うキツネになってくるのでしょうが。

昔はキツネがそこかしこで見られたのだろうな、という謎の推測も生まれますね。現代ならきっと指揮者は皆youtubeで確認するのでしょう。

結局、メトロノームの発明の前後まで、作曲者の意図通りに音楽が演奏されていたわけではないだろう、という憶測も出てきます。

楽譜も活版印刷以前は手書きで写譜をしていたわけです。確実にミスのないものだけが引き継がれてきたわけではないだろうことも予測できます。

ちなみに大作曲家たちの譜面ってめちゃくちゃ汚い人が多い。これもググってみると面白いですよ。この辺は小説家の原稿なんかにも通じる部分があるのかもしれませんね。

修正のためのスペースが沢山ある作家もいますし、ギチギチに書き込んでいる作家もいます。 性格と作風は連動しているのでしょう。こういった側面から音楽を楽しむのもまた楽しいですね。

さあ、音楽史といいながらあらぬ方向に進んで行ってますが、次回で最後にしますね。