音を紡ぐ

バンドで音を出しているときにどんなことを考えていますか?

テンポキープでしょうか、それとも次の展開?アドリブ入れようかな、とか? あ、あそこのお客さんつまんなさそうに見てるなあ・・・とかでしょうか。

今回は一般的にどうこうという記事ではありません。個人的に思うことを書いていきます。 もちろん、個人的にとは言いながらも沢山のミュージシャンのインタビューなどにも似たような意見は沢山あります。

個人的には「何も考えたくない」んですね そもそもテンポキープのためのクリック練習なんてのは何も考えなくてもキープできるように、という目標のもとでやっています。

次の展開・・・。最近はめっきり暗譜することが少なくなり、ほとんど譜面を見ながらの演奏になってしまいました。 ただし、これも譜面を見てはいるものの、あんまり深く考えていない、状態です。 変な言い回しですね。「次はCm7/Fやから、ここをこうして・・・・」 なんてことは考えていない、ってことですね。目では楽譜を見ていますが、それは直接腕に伝わる感覚でしょうか。

暗譜するときは頭で考える必要のないくらいに暗譜してしまいます。

ジャズなんかを演奏するときはもう少し深く考えますが、やはり日々の練習で随分とその場所で考えることは減ります。

お客さん、意外とステージから見えていますよね。でもこれもよく考えると、スタジオや家で練習してきたもの以上のものが急にステージ上で、しかも アドリブでできることなんてまずありません。 なのでお客さんを見るのはもちろん良いことですが、つまんなさそうだから何かしよう、ってのは間違い、ということになりますね。

さて、「何も考えていない」のは間違いでした。

「音楽のことだけ考えていたい」

んですね。

ドラムといかにグルーブするか。歌をどれだけダイナミックにエモーショナルに聞かせられるか、支えられるか。 バンドがどうやってグルーブするのか、どんなダイナミクスでより気持ちよく聞かせられるのか。

こういったことです。

ひたすらに「ミスをしないように」「ずれないように」「もたらないように」 なんて考えながらの演奏は良いものになる確率は圧倒的に低いでしょう。

打ち込みじゃない音楽の良いところってそういう人間臭いところだと思っています。

音楽=テンポキープじゃないの?という疑問がありますよね、ごもっともです。 テンポキープはできて当たり前の部分、という事です。

事前に準備できる部分、練習できる部分を徹底的にやることによって、現場での音楽がさらに良いものになる、というわけです。

事前にスケールを沢山身体に染み込ませておけば、その場では「あのスケールを使おう」ではなく 「あんな音のスケールを使おう」、と、より感覚的、音楽的にアドリブをチョイスできるわけです。

これはドラムなんかにしてもそうですね。いかにバリエーションを沢山持っておくか、は本番での手助けになるわけです。

音を紡ぐ

というタイトルで書きだしてみましたが、どうでしょうか。 音を紡ぐって結構難しいですよね。

だから音楽って楽しい。