ドラムの良い音、良い音量、良いバランス

ドラムの適切な音量ってなかなか難しい問題だと思います。ここでは自分の勝手な意見を書いておきます。

自分の見てきた範囲で、の話ですが、プロのドラマーは一様に「良い音」を鳴らします。で、これってある程度の音量がちゃんと出ています。ただし良い音なのでうるさいと感じないのかな、とも思っています。まあ、ジャズの小さな箱とかでやってる時にタイトで割と音量が出ているプレイをする必要はないかもしれませんね。

ジャズなんかで小さな箱でやっている時のドラマーはボリュームコントロールに気を使う人も多くおられました。東原力也さんなんかは結構なボリュームでしたけどね。

ライブは好きでよく見に行きますが、大きな箱でビルボードくらいですかね、昔はブルーノートでした。

ビルボードも席は自由に選べたりするのでステージに近いところに陣取ると生音も聞こえますし、彼らの呼吸している息遣いまで聞こえます。とってもスリリング。

プロドラマーともたくさん一緒にやる機会がありますが、やはり最初に書いたように「良い音」なんですね。そしてグルーブもしっかりするからガチャガチャ聞こえることなんて無い。グルーブしているってことは各楽器とのピークのポイントが揃っているということですね。こうなってくると「うるさい」と感じることはほとんどないと思います。

というか下手なドラムを大音量で聞かされるのが苦痛なので、ついつい「うるさい」と言いたくなるんですよね。

で、散々書いてます「良い音」ですが、これはスナップが聞いてドラムの芯が鳴っている状態だと個人的には思っています。タムなんかは割とスナップががっちり効いた状態で叩いてあげると「良い音」が鳴ります。 力任せに押し付けるように叩くと音量もそこまで出ませんし、なんだかべちゃっとした音が鳴ります。

ここではロックやファンクなどのシーンを前提に書いています。ハードロックとか、まあジャンルはさておき出したい音を出すことが一番なのが大前提です。なので曲によっては押し付けるように叩くことも必要でしょう。 ただしどの曲でも「一様に同じ叩き方」ではうるさく感じます。

結果として良い音が鳴るくらいの音量が「良い音量」だということになりますね

さらにもう一つ重要なポイントは

マイキングをしなくても良いバランスで各楽器が聞こえていること

です。スネアがデカすぎるドラマー(これはタムや他の楽器が鳴っていない可能性があります)とか、バスドラがデカすぎたり小さすぎたり。ハットワークが雑で小さい、もしくは極端にデカイ、とか。

もうね、正直各パーツがいくらうまく叩けてそれが良い音でも「良いバランス」じゃない時はほんまに下手に聞こえるものですし、まあ実際そんなドラムは下手です。実際にお手持ちのDTMソフトなんかで適当なプリセットのグルーヴなんかのバランスだけイジってみると面白いですね。バランスが悪いとほんまに聞きにくい。

スネアは素人が叩いてもそれなりの音量が出ますが、タムはそうは行きませんよね。しかもハイローフロアとどれも叩き方が一緒では良い音は鳴らないし、バランスも取れません。

ハイハットもそうですね、チップで当てるか否か、で表現も変わりますし曲によってニュアンスと音量を変えなければなりません。当たり前ですけどね。

ここでドラムが練習しなければいけないことは

少し離れた位置にレコーダーを置いて自分のバランスを確かめる

ことです。自分の位置で聞く音と少し離れて聞く音は全然違いますからね。そりゃレコーディングやライブではバランスを取れるので別にどうでも良いよ、って言いたい人もいるでしょうけど。まあそういう人はそれで良いのかな、とも思います。

バンドメンバーと気持ちよく演奏するためには、少なくともこういった努力はすべきかな、と思いますね。

 

追記

初心者に多いのが「フィルだけボリューム上がる」ドラミングです。これも非常に聞いていて辛い。 サビ前のちょっと難しめのフィルだけボリューム上がっちゃってサビに入るとボリューム落ちる、みたいな。これは非常にダサいし、そもそも曲をぶっ壊しています。こういうことも録音をして聞き直すだけで随分と改善されるものです。