閑話休題 映画セッション
閑話休題 映画セッション 音楽をやる人界隈では俄かに人気でしたセッションを観てきました。ネット上には様々な批評があるのですが、ここでは演奏者として面白かった、気になった部分を書いていきます。
ネタバレしちゃうのでまだの人は見ないほうがいいかも・・・・・
よくありますよね、ハリウッド映画で変な日本が出てくると冷めるっての。 あんな感じのシーンがちょろちょろ出てきてましたので。 ちなみに私はセッションは映画としては好きです。もう一度見たい。
・スネアの角度が気になる。
バディリッチみたくスネアを前面に傾けてレギュラーグリップ、ってなシーンが多いのです。これはいい。ただ3人のドラムが叩きまくるシーンやポスターも角度が違う!パンクドラマーでも今時あまり居ないんじゃないのってくらいの演者側に傾けたセッティングです。これでレギュラーはちょっと無理があるような。。。。。。
・名門音楽校なのにレベルが低すぎる
ラストシーンに先生の意地悪で一曲知らない曲をやるシーンがありまして、そこで知らないもんだから全然叩けない、ってとこ。いや、でもそれくらいなんとかなるやろ!ってレベルの話。実際現場のプレイヤーならなんなくこなすでしょう。そりゃあ細かいキメとかは難しいかもしれません。基本のスウィングくらいねえ。。。ってか出番前にバンドメンバーと曲についての会話にもなりそうなもんですし。なんだかな。ちなみにスタンダードの曲はジャズをやる人なら大体覚えているものです。
・そもそも右手の人差し指と親指の間を怪我する?
そこ怪我することあんの?っていう。人によってはそういうグリップもあるんだろうけども。バディリッチのフォームではそうはならなそう。左手から流血するシーンもありますがこちらは擦れて血が出ることもあるかもしれません。レギュラーグリップの練習では親指の力を鍛えるトレーニングなどもします。最初のうちは擦れるより先に筋肉痛になったりします。
・速さこそ正義?
確かに速く動けることは他の曲にも余裕が出てくるという意味ではいいでしょう。けど!メタルじゃないんだから。。。。。。これに触発されて速さのトレーニングにのめり込むのは止めましょうね。ギネスを狙う、生粋のメタラーだ、速さこそが正義に決まってる!という人は頑張りましょう。
・そもそも音と映像がずれている。
表題曲をやるシーンとかハイハットの16のオカズが入るんだけど映像では無視。3点(スネア、ハイハット、バスドラ)でバシっとキメる音でも映像はスネアにスティックが2本乗る。そりゃ左足だけでもキメっぽくはやれるだろうけど。音楽映画だし表題曲だし・・・・そこは。。。。
つまるところ演奏者としては一番最後の音と映像のズレが一番嫌な部分です。音を聞いてミュージシャンの手順などが想像できるようになってくるとあれが一番気持ち悪い。
と、まあなんやかんやありますが個人的には先生の強烈なキャラクターが大好きだったのでいい映画!という感想です笑
だって好きなキャラクターが居ればもうそれで良いじゃんってなりません?笑
そしてもう一つ。ビックバンドジャズって楽しいものですよ。確かにああいう指導者も居るらしいとは聞きます。しかし音楽は楽しいものです。大人数で鳴らす音楽も本当に楽しいものです。血が出る練習も正直間違いだ、と言い切ってしまいたいところでもあります。
適切な練習フォームで適切な練習をすることが大事なんですしね。
なんだかこの映画を見て「うわージャズはやめよう」となっちゃうのは違うなあ、と思います。
あくまで映画は映画。物語です。現実とは違います。
しかし面白い映画でした。