ドラムの「良い」音量について

ドラムの良い音量について 実はドラムの音量というのが結構難しい問題だったりします。個人的にはドラムとボーカルに関しては中々文章や映像でも伝わりにくいものだと思っています。 しかしここでは一応文章にしてみようと思います。

ドラムの「良い」音量を知る一番の近道はプロの出音を間近で聞く事ですね。これに勝るものは正直いってありません。とは言え気軽には中々聞く事はできませんね。レッスンなんかで習うのも良いかもしれません。

良い音で鳴らせるドラマーというのはタムやバスドラムをちゃんと鳴らせます。これがまず重要なんですね。スネアなんかは誰が叩いてもある程度の音量が出る楽器です(勿論良い音で鳴らすには練習が必要です)

よく見かける悪い例がスネアを叩くのと同じような力加減で叩いている人ですね。もし同じスピード、同じ強さで叩いているとタム回しなんかをした時に音量や音圧が徐々に下がっていく結果になりますよね。

要は鳴りにくいパーツほどちゃんと鳴らしてあげる必要があるわけです。当然フロアタムは鳴りにくいわけです。ここまで読んで「じゃあ力一杯叩けば良いのか!」となるとこれもまた違います。確かに若干の力は必要になるのですが重要視して欲しいのがスナップスピードですね。よく教則本などでもチップの動きやスピードを意識するように、と書いてあったりもしますが、まさにそこです。この2つを意識的に行うだけでも十分に出音が変わります。一度試してみましょう。

また、バスドラムも同じですがちゃんと踏んであげる事が大事ですね。どうしてもフレーズに惑わされて強さまで意識出来ていない人が多いんです。これではいくら正確な位置で踏んでいてもイマイチ伝わらない演奏になりますし、なにより生音で聞いた時のバランスが悪くなってしまうんですね。

ドラムセットでのバランスの話ですが個人練習などでは録音してみる事が手っ取り早いです。ちょっと離れた位置で自分のドラミングを録音して客観的に聞いてみましょう。何かだけ弱い、なんて癖が一発で分かります。録音する位置にも左右されるでしょうがやはりCDなどの音源のバランスに近いように叩けるのが理想でしょう。

そしてシンバルの鳴らし方も重要です。力一杯、上から下に叩いている人も居ますが(勿論ジャンルによってはアリでしょうが)きちんと鳴る様に叩く方がシンバル本来の音を出す事ができるといいますね。よく言うのはシンバルの円に沿う様に叩く、というところでしょうか。プロの動きを参考にし、研究することをお勧めします。

ここまで読んだところでさらに叩き方には種類がある事も覚えておきましょう。バスドラムやスネアは特に顕著にわかりますが、押し付ける様に叩くのと叩いてすぐに引くのでは全然音量も音質も変わりますよね。どちらが正解、という事はありませんが音量をちゃんと鳴らすにはどちらがいいのか、や音質、ジャンルなどによって叩き分けることも必要でしょう。

あとは初心者にありがちなのですが、フィルインの時だけやたらと音量が出る」「フレーズが変わると(フォームが変わると)音量が変わる」「バスドラムのダブルを踏むと音量差がすごく付く」などの症状もあります。どうですか?癖になっていませんか?

この症状は本当に良く見かけます。スネアを連続で叩くときはつい力が入ってしまうのですが肝心のビートではスネアが埋もれる人。スネアが頭打ちになると急に音量が下がる人。ダブルをスライドでやると2発目の音量が極端に下がる人。どうでしょうか。周りのドラマーにもいますよね。こういう部分はドラマー自身が気をつけて成長していくべきな部分でもあるのですが、こういう事があるんだな、と思ってみていればバンドメンバーからでも指摘出来る部分ですね。

さてここまで書きましたが、しかし適正な音量についてはこれだけではわかりにくいですよね。ここでオススメの方法としてはやはりプロのドラマーのセミナーや、スタジオミュージシャンが小さめのライブハウスやジャズバーなどで演奏している日に一度見に行く事ですね。ライブ映像などではわからない所まで勉強できます。

あまり大きくない場所に行く事をオススメします。できればドラムは生音でやっているところなんか最高ですね。こういう場所でなるべくドラマーに近い席に陣取ってゆっくり観察してみることです。ドラムを始めて間もない人たちは自分の音量や音質との差にびっくりすると思います。

値段が安くても著名なミュージシャンが演奏している日は結構あります。DVDなどに投資する事も大事ですがドラマーは必ず一度は著名なミュージシャンの生演奏を聞く事にしてみてください。

もしかしたら教則本一冊やるよりも価値があるかもしれません。

ちなみに冒頭にもありましたがボーカルも一緒ですね。結局は生でプロのシンガーが歌っているところを肌で感じる事が大事です。メジャーアーティストでなくともスタジオミュージシャンとして活動している歌手なんかは、気軽に見れる場所で演奏していたりします。チャンスは沢山転がっているわけですね。活用してみるといいでしょう。